飲食店の内装工事の費用相場と抑え方|坪単価・スケルトン・居抜き・デザイン会社の選び方
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飲食店の開業資金で一番大きくなりやすいのが、内装工事の費用です。物件取得費や厨房機器と並んで、ここの見積もりひとつで開業総額が数百万円単位で変わってきます。だからこそ「坪単価いくらが相場なのか」を最初に押さえておきたい、という相談を僕もよく受けます。
僕は飲食FC本部で店舗開発を担当していて、前職は建設現場の施工管理を13年やっていました。図面や見積書を見る機会が多い立場から言うと、内装費は「相場の数字」だけを追うと判断を誤りやすい領域です。同じ坪数でも、スケルトンか居抜きか、業態、デザインのこだわりで金額はまるで変わります。この記事では、坪単価の考え方・費用が膨らむ要因・デザイン会社の選び方・抑え方を順に整理します。
内装工事の坪単価の目安と考え方
内装工事費はよく「坪単価×坪数」で語られます。業態や物件状態で幅は大きいですが、一般的な目安として語られるレンジを整理します。
- 居抜き物件:既存内装を活かせる分、坪単価は比較的抑えやすい
- スケルトン物件:ゼロから作るため坪単価は高くなりやすい
- カフェ・バー系:内装の世界観が売りになる業態はデザイン比重が上がりやすい
ここで大事なのは、坪単価はあくまで目安で、実際は物件と業態による、ということです。数字が独り歩きすると「相場より高い=ぼったくり」と早合点しがちですが、給排水や電気容量の工事が必要な物件なら単価が上がるのは当然です。金額の妥当性は坪単価だけでなく、工事の中身(内訳)で見るのが僕の考え方です。
スケルトンと居抜きで費用はどう変わるか
内装費を左右する最大の分岐がこれです。
- スケルトン:床・壁・天井・厨房・給排水・電気・空調まで一から作る。自由度は高いが費用と工期がかかる
- 居抜き:前店舗の内装や厨房を引き継ぐ。初期費用と工期を圧縮しやすいが、レイアウトが自分の業態に合うかは物件次第
居抜きは一見おトクですが、造作譲渡料や、自分のコンセプトに合わせた改修費を足すと、結局スケルトンと大差なかったというケースもあります。逆に業態が近い居抜きに出会えれば、コストメリットは大きい。ここは「立地による」「物件による」としか言えない部分なので、総額で比較するのが鉄則です。
物件の状態と工事費は密接に絡むので、物件探しの段階から工事のことを見据えておくと失敗が減ります。飲食向けの物件サービスに相談すると、内装がかさみやすい物件かどうかの目線も得られます。
内装費が膨らみやすい要因
「見積もりが思ったより高い」となる時、たいてい原因は決まっています。施工管理をやっていた経験から、注意したいポイントを挙げます。
- 給排水・排気ダクト:飲食は油と水を大量に扱う。グリストラップやダクト新設が必要だと一気に上がる
- 電気・ガス容量の増設:厨房機器に対して容量が足りず、引き込みからやり直すと高額になる
- 防火・消防関連:内装制限や排煙、消防設備の対応は業態と面積で必須になることがある
- デザインのこだわり:造作家具・特注照明・塗り壁などは単価を大きく押し上げる
こうした部分は図面段階では見えにくく、着工後に「追加工事」で出てくることがあります。見積もりを取るときは、どこまでが含まれ、何が別途なのかを明確にしておくのが大事です。
デザイン会社・施工会社の選び方
内装は「デザイン設計」と「施工」に分かれ、両方をまとめて請ける会社もあれば分離発注もあります。選ぶときのポイントです。
- 飲食の実績:飲食は動線・厨房・保健所基準など専門性が高い。飲食店の施工実績があるかを確認する
- 相見積もり:最低でも2〜3社から取り、内訳の粒度を比べる。安いだけでなく内容で判断
- 見積もりの透明性:一式表記が多い見積もりは要注意。項目ごとに数量・単価が書かれているか
- アフター対応:開店後の不具合対応やメンテの体制があるか
安さで飛びつくと、追加工事で結局高くつくことがあります。金額と中身、実績のバランスで選ぶのがいいと思います。
内装費を抑える現実的なコツ
最後に、品質を落とさずにコストを抑える考え方を整理します。
- 居抜きを活かす:使える設備は残し、手を入れる範囲を絞る
- 優先順位をつける:客席・ファサードなど売上に直結する部分にお金をかけ、バックヤードは実用重視
- 厨房機器は中古やリースも検討:初期費用を平準化できる
- 補助金の活用:条件に合えば内装や設備に使える制度がある場合も(最新は公式で必ず確認)
ここでの注意は、削りすぎて業態の魅力や衛生・安全を損なわないこと。内装は集客と原価に長く効いてくる投資なので、目先の安さだけで決めない方がいいと思います。
まとめ
- 坪単価は目安。金額は物件・業態・工事内容で決まり、内訳で妥当性を見る
- スケルトンと居抜きは総額で比較。居抜きも改修次第で費用が膨らむことがある
- 給排水・電気容量・防火など見えにくい部分が費用を押し上げやすい
- デザイン・施工会社は飲食実績と見積もりの透明性で選び、相見積もりを取る
- 抑え方は優先順位づけと居抜き活用。削りすぎて魅力や安全を損なわない
内装費は物件と業態で大きく変わるため、資金計画と一緒に考えるのが安全です。開業全体の資金設計に不安があれば、開業支援サービスに早めに相談しておくと、内装費の位置づけを見誤りにくくなります。制度や見積もり条件は必ず公式・書面で最新を確認してください。
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