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飲食店の事業計画書の書き方|融資に通る数値計画の作り方をFC本部目線で解説

公開 2026-07-12

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事業計画書と聞くと「融資のために仕方なく書く書類」と思われがちですが、僕はむしろ逆だと考えています。事業計画書は、開業前に「この店、ちゃんと利益が残るのか」を自分の手で検証するためのツールです。ここで数字が回らない計画は、融資が通らないだけでなく、開業しても回りません。

僕は本部で店舗開発と数値管理に関わっていて、出店判断のたびに計画の数字を組みます。前職が建設現場の施工管理で原価や工程を管理していたこともあり、数字の置き方には気を使うほうです。この記事では、飲食店の事業計画書の書き方を、特に「融資に通る数値計画」に絞って整理します。制度や様式は金融機関で違うので、最終的には各金融機関の公式情報で確認してください。


事業計画書は「誰に何を伝える書類」か

まず、事業計画書の役割を整理します。融資の面談で審査担当者が見ているのは、熱意そのものより「返せる見込みがあるか」です。事業計画書は、その見込みを数字と根拠で示す書類です。

  • 何の店を、どこで、いくらで、どう回すのかを一貫して説明する
  • 「売れる根拠」と「返せる根拠」を数字でつなぐ
  • 希望的観測ではなく、保守的でも成立することを示す

逆に言うと、コンセプトが立派でも数値計画が破綻していれば説得力は出ません。まずは全体像として「創業の動機・経歴 → 事業内容 → 数値計画 → 資金計画・返済計画」という流れで組み立てると、読み手が追いやすくなります。


売上計画は「席数×回転数×客単価×営業日数」で置く

数値計画の中心は売上予測です。ここで感覚的な数字を置くと一気に説得力を失います。飲食店の売上は、次の式で機械的に組むのが基本です。

売上 = 席数 × 回転数 × 客単価 × 営業日数

  • 席数:物件のレイアウトから決まる
  • 回転数:1席が1日に何回転するか。ランチ・ディナーで分けて置くのが現実的
  • 客単価:メニュー構成から想定
  • 営業日数:定休日を反映した月の営業日数

ポイントは、回転数や客単価を強気に置きすぎないことです。「満席が続く前提」の計画は、審査でも見抜かれますし、開業後の自分を苦しめます。むしろ、平日と休日、ランチとディナーで分けて、控えめなケースでも回るかを示せると、計画の信頼性が上がります。数字の目安は業態・立地で変わるので、公式の統計や近い業態の相場を参照して自分の前提に落とし込みましょう。


原価率・人件費率で利益が残るかを検証する

売上を置いたら、そこからコストを引いて利益が残るかを確認します。飲食店で特に効くのが原価率(食材費)と人件費率、いわゆるFLコストです。

  • 原価(Food):食材の仕入れ。売上に対する比率で管理する
  • 人件費(Labor):社員・アルバイトの給与
  • 家賃:固定費の代表。売上に対する比率で重さを見る
  • 水道光熱費・販促費・その他

FLコスト(原価+人件費)は売上に対する割合で管理するのが定石で、ここが重いと利益が残りません。事業計画書では「売上-原価-人件費-家賃-その他=利益」がプラスで、かつ借入の返済を差し引いても手元に残るかまで見ます。原価率を低く、人件費を薄く見積もれば数字は良く見えますが、それは現実の運営で跳ね返ってきます。

数値計画の置き方は、業態ごとの相場観や融資の通りやすさなど、独力だと判断しづらい部分が多い領域です。数字の前提に不安があるなら、開業支援サービスや自治体の創業支援窓口など、実務を知る相手に早めに壁打ちしてもらうと計画の精度が上がります。


資金計画と返済計画をセットで示す

数値計画(売上・利益)と並んで見られるのが、資金計画と返済計画です。「いくら必要で、どう調達し、どう返すか」の三点セットで整合が取れているかがポイントです。

  • 必要資金:初期費用(物件・内装・厨房・備品)+運転資金
  • 調達内訳:自己資金+借入。自己資金の割合は説得力に効く
  • 返済計画:毎月の返済額が、月々の利益からきちんと払えるか

ここでよくあるのが、必要資金の見積もりに運転資金を入れ忘れるパターンです。売上が軌道に乗るまでの数か月分の固定費を運転資金として別枠で計上しておかないと、開業直後に資金繰りが苦しくなります。返済計画は「返せる額」で組むもので、「借りられる額」いっぱいに借りると固定費として重くのしかかる、という感覚を持っておくと安全です。


融資に通りやすくするための具体ポイント

同じ事業でも、書き方や見せ方で審査の伝わり方は変わります。実務でよく効くと感じるポイントを挙げます。

  • 数字に根拠を添える:席数・回転数・客単価がどこから来たのかを示す
  • 保守的なケースを用意する:強気の計画だけでなく、控えめでも回ることを見せる
  • 自己資金の出どころを説明できるようにする:コツコツ貯めた資金は本気度のシグナルになりやすい
  • 経歴と事業の一貫性:これまでの経験がこの店にどう活きるかをつなげる
  • 数字と文章を矛盾させない:コンセプトの言葉と数値計画の前提をそろえる

日本政策金融公庫などの創業融資では、事業計画書が審査の中心になると言われます。ただし制度の内容・条件・様式は金融機関や時期で変わるので、必ず公式の最新情報を確認してください。効果や採択を保証できるものではないので、「通ればラッキー」ではなく「通っても回る計画」を目指すのが本筋だと思います。


まとめ

  • 事業計画書は融資用の書類であると同時に、利益が残るかを自分で検証するツール
  • 売上は「席数×回転数×客単価×営業日数」で機械的に置き、強気にしすぎない
  • 原価率・人件費率(FLコスト)と家賃を引いて、返済後も利益が残るか検証する
  • 資金計画は「必要資金・調達・返済」の三点セットで整合を取る。運転資金の計上を忘れない
  • 融資は「借りられる額」でなく「返せる額」で組む。保守的でも回る計画を示す

数値の相場や融資の通し方は業態・立地・時期で変わります。計画の数字を詰めたいときは、開業支援サービスや創業支援窓口で一度壁打ちしてもらうと、抜けや甘い前提に気づけます。

制度・条件・様式は変わることがあるので、最終的な判断の前に各金融機関・支援機関の公式サイトで最新情報を確認してください。

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